日本プロテオーム学会2024年大会 大会長
近藤格 国立がん研究センター 希少がん研究分野
第20回日本臨床プロテオゲノミクス学会 大会長
野口玲 国立がん研究センター 希少がん研究分野
開催趣旨
日本プロテオーム学会2024年大会と第20回日本臨床プロテオゲノミクス学会の合同大会を2024年6月26日~28日の日程で青森にて開催することをお知らせいたします。今回の共同カンファレンスは「時空を超えた挑戦」と題して開催されます。このカンファレンスの主催者として、このタイトルで開催する意図をご説明します。
研究者は、未来を見据えた生命科学に関して無限の素晴らしいアイデアを持っています。私たちの想像力は無限であり、科学もまた無限の可能性を秘めています。しかし、実際には研究者の時間と空間には限界があります。研究者として活躍できる期間は、数十年程度と有限であり、それを数百年、数千年と延ばすことは現状では困難です。残念ながら、いかなる研究も一世代では完成しないでしょう。しかし、この限界は私たちの理念と活動を次世代に継承することで乗り越えることができます。研究者には空間にも限界があります。いくら大規模な研究室であっても、実験室をサハラ砂漠のサイズに拡大することはできません。「起きて半畳、寝て一畳」と言いますが、これは「物事の限界を知っておくべきであり、必要以上に富を望むのはつまらない」という例であると同時に、私たちが逃れることのできない物理的・空間的な限界を示しています。ただし私たちは、他の研究者とのコミュニケーションを深め、アイデアやリソースを共有することで、この限界を打ち破ることができるかもしれません。すなわち、柔軟な思想で自前主義から脱却することで物理的・空間的な制限を克服できます。
研究発表会は時間と空間の限界に挑戦する場です。私たちの情熱とアイデアを次世代に継承し、遠く離れた他の研究者とアイデアやリソースを共有することで、私たちは人間の生物としての限界を克服することができます。研究者はこのような考えを無意識にもち古くから研究発表会を開催してきたのではないかと思います。
この合同カンファレンスが、参加者の皆様にとって時間と空間への挑戦の一助となれば幸いです。